長野県、安曇野には、「安曇野アートライン」と呼ばれる20件ほどの大小の美術館・博物館が集まっているエリアがあります。安曇野市から白馬村まで約50kmにわたる地域に点在する美術館や博物館を結ぶアートのルートです。このエリアには、ヨーロッパの近代美術から日本の近代彫刻、絵画、山岳美術、絵本の原画、陶器、写真など、多彩な展示が楽しめる施設が集まっています。豊かな自然と芸術が融合した魅力的な施設の数々、四季折々の風景とともに、多彩なアートを楽しむ旅を計画してみるのもいいですね。

今回は、2025年5月末に長野の「穂高養生園」⤵ に行く前に訪れた3つの美術館をご紹介します。
安曇野市内には美術館が集中しており、レンタサイクルを利用して巡るのがおすすめです。坂道が多いため、電動アシスト付き自転車の利用が便利です。私も穂高の駅前でレンタル電動自転車(しなの庵 https://shinano-an.com/)を借りて、この3つの美術館を回りながら、穂高養生園に向かいました。
碌山美術館(ろくざんびじゅつかん)

安曇野・穂高にある碌山美術館(Rokuzan Art Museum)は、地元出身の彫刻家・荻原守衛(通称・碌山、1879–1910)の業績を後世に伝えるため、1958年に建設されました。教会を思わせる赤レンガとステンドグラスの美しい建築と、駅近でありながら、緑豊かなロケーションが魅力です。

碌山の代表作の展示と共に高村光太郎・戸張孤雁・中原悌二郎など碌山と交流のあった芸術家たちの彫刻や資料も展示されています。木陰に設置されたベンチに座って、庭や建物の雰囲気をゆっくり味わうのもおすすめです。

アクセス:JR大糸線・穂高駅から徒歩で約7分
安曇野ジャンセン美術館

長野・安曇野の森の中に佇む、世界で初のジャン・ジャンセン専門美術館です。入口に自転車を停めて、森の中の小道を進みます。するとレンガと三角屋根が映えるロマネスク風の建物が。森に囲まれた静かなロケーションがとても落ち着くスポットです。小さな喫茶スペースとミュージアムショップも併設されています。

1993年にパリ在住の画家ジャン・ジャンセン(アルメニア系フランス人)の作品を楽しむために設立されました 油彩・水彩・デッサン・版画など約700点を所有し、常時70点前後が公開されているそうです。2階には、他の芸術家(ピカソ、シャガール、ルノワール、ゴーギャン、ロートレックなど)の作品も展示されていました。

水彩画が好きな私は、バレエダンサーシリーズの水彩画や、「マーガレット」、ジャンセンが夫人にささげた花の絵などの、はかなくも美しいタッチが心に残りました。残念ながら、撮影は禁止されています。
👉 http://www.musee-de-jansem.jp/
アクセス:JR大糸線穂高駅から車で約6〜7分、電動自転車で、約15分
絵本美術館 & コテージ 森のおうち

赤松林に囲まれた、絵本の世界を満喫できる『森のおうち』は、1994年にオープン。国内外の絵本原画を年4~6回、テーマに合わせて展示しています。企画展のほか絵本朗読会やコンサート、小劇場イベントも開催されているようです。私が訪れた時の企画展のテーマは「おうち」。いろんな個性的な絵本作家の作品が丁寧に展示されていて見ごたえがありました。
ミュージアムカフェでは手作りケーキやランチも楽しめ、ミュージアムショップ「星めぐり」では絵本や雑貨が購入できます。絵本のおうちの横には、木造のコテージがあり、宿泊もできるようです。

アクセス:JR大糸線・穂高駅よりタクシーで約10分・電動自転車で約20分

私の今回の滞在時間は、それぞれ30~60分でした。季節によって開館時間が変動するようですので、お出かけの際はそれぞれのホームページをご確認くださいね。 どの美術館も安曇野の緑豊かな自然に溶け込み、静かに落ち着いて鑑賞できる美術館でした。他にもたくさんの美術館のあるアートライン。好みのアートスポットがみつかるはず。
Have a nice trip ❢