
昨年に続いて、今年もヘルシンキではカタヤノッカ(Katajanokka)地区のホテルに5泊滞在しました。この地区を選んだ理由は、静かな環境の中にヘルシンキらしい建築が多く、どこへ行くにもトラムでのアクセスが便利だから。徒歩圏内には観光スポットも多く、歩きまわることが多い私にとってうれしいエリアです。さらに、昨年10日ほど滞在して地理が頭に入っていることも、方向音痴の私には大きな安心ポイントでした。
今回は、カタヤノッカの街並み、そして徒歩で巡れる2つの人気スポット、マーケット広場(Kauppatori)とエスプラナーデ通り(Esplanadi)をご紹介します。
カタヤノッカ地区(Katajanokka)― 歴史を語る赤レンガの美しい街並み

カタヤノッカは、19世紀末から20世紀初頭にかけて港湾や倉庫、住宅が入り混じっていたエリア。赤レンガ造りの建物や倉庫跡が今も残り、どこか懐かしい雰囲気を漂わせています。ロシア統治時代の影響を色濃く残す街並みは、ヘルシンキの中でも独特の魅力を放っています。今ではおしゃれな住宅地として再整備され、散歩をするだけでも楽しい地区です。
アールヌーボー建築の多い地区でもあり、自然をモチーフにした装飾的な建物のディテールや、多種多様な窓を鑑賞することができて、建築に詳しくない私でもその美しさを楽しむことができました。
マーケット広場(Kauppatori)― 海とカモメ、港町の活気を感じる
港に面したマーケット広場(Kauppatori/カウッパトリ)は、ヘルシンキで最も賑やかなスポットのひとつ。
夏の朝は、オレンジ色のテントが並び、地元の人や観光客で大にぎわいです。海の香りとカモメの声が心地よく、焼きたてのサーモンの香りに思わず足が止まります。ベリーや野菜、手作り雑貨、フィンランドらしいお土産など、見て歩くだけでもワクワクします。冬に来たときよりも、テントの数も人の数も何倍にも増えていて驚きました。
広場の隣には、屋内マーケットの「オールドマーケットホール(Vanha Kauppahalli)」があります。木の温もりを感じる建物の中には、チーズやパン、チョコレートの専門店、そして地元の人が集うカフェも。ここで味わいたいのが、フィンランドの定番料理「ロヒケイット(Lohikeitto/サーモンスープ)」。濃厚なクリームスープに大きなサーモンがごろっと入っていて、冷えた体をほっと温めてくれます。海を眺めながら食べると、まさに北欧旅の味。



広場からは、世界遺産スオメンリンナ要塞へ向かうフェリーも発着。
振り返れば丘の上に白く輝くヘルシンキ大聖堂、反対側には赤レンガのウスペンスキー寺院が見え、青い観覧車(なんとサウナ付きのゴンドラも!)がゆっくり回っています。
何をするでもなく、ただぶらぶら歩くだけで、ヘルシンキらしさを存分に感じられる場所です。
エスプラナーデ通り(Esplanadi)― 緑あふれるヘルシンキのメインストリート
マーケット広場から少し歩くと、まっすぐ伸びる並木道「エスプラナーデ通り(Esplanadi/エスプラナーディ)」が現れます。地元の人たちには「エスパ(Espa)」の愛称で親しまれ、季節ごとに花が咲き誇るこの通りは、ヘルシンキの中心そのもの。ベンチやカフェテラスが並び、夏には音楽イベントや屋外コンサートも開かれ、街全体が明るく開放的な雰囲気に包まれます。


通りは、南のマーケット広場から西のスウェーデン劇場(Svenska Teatern)まで約400メートル。
中央には緑豊かなエスプラナーデ公園(Esplanadin Puisto)があり、両側にはブランドショップや老舗カフェが立ち並びます。マリメッコ(Marimekko)やイッタラ(Iittala)など、フィンランドデザインを代表するお店もあり、ショッピング好きにもたまらないエリア。
今回もついショーウインドウに惹かれてマリメッコに何度か足を運びましたが、気になっていたバッグやソックスは残念ながら正価品でした。一部だけですが、セールもしていました。
ウィンドウショッピングを楽しむもよし、カフェでまったりするもよし、公園でのんびりするもよし。ただ歩くだけで、ヘルシンキに暮らしているような気分になれる通りです。

カタヤノッカ周辺は、歴史的建築・文化・ショッピング・街歩きなどヘルシンキのすべてを楽しむことができるエリアです。宿泊にもおすすめ。
Have a nice trip ❢
