
ついに楽しみにしていた「セルフサウナ体験」の時間がやってきました。午後1時から4時までの3時間、自分で火をおこし、薪をくべ、楽しんだ後は片づけまで。すべて自分の手で行う初めての挑戦に、説明書を何度も読み返してから小屋へ向かいました。「たとえうまくいかなかったとしても、何事も経験、経験」と自分に言い聞かせながら。


マッチと新聞紙を握りしめてドキドキしながら歩いていると、背後から「Hej hej!」(スウェーデン語で「やあ、こんにちは」)という声。振り返るとホテルオーナーの弟さんが自転車でやって来てくれました。「初めての火起こしで不安そうだって聞いたから」と手伝いに来てくださったのです。まさに救世主!薪割りをし、一緒に薪をくべるところまでサポートしてくれました。一人ではとても扱えなかった薪割り道具も、やすやすと使いこなす姿に感動。手伝ってくれながらも、マッチで火をつけて入れるところなど、さりげなく私にも体験させてくれる心遣いがうれしい。







小屋に入ると、まずは鍵を開け、湖に梯子をおろし、水タンクには湖から汲んだ水を入れます。薪と新聞紙をかまどに入れ、マッチで火をつけると、パチパチと心地よい音を立てながら炎が燃え上がりました。サウナが暖まるまでの20分ほどは、小屋の外のベンチで湖を眺めながら待機。時々火を確認し、30分ごとに新しい薪をくべます。温度計が少しずつ上がっていくのを眺める時間さえ楽しい。


やがて室温は65度に。サウナ小屋で汗をかいたら外に出て、梯子を降りて湖に足を浸したり。湖の水はそんなに冷たくはありませんでした。
隣の小さなビーチでは家族連れが飛び込み台から遊んでいて、子どもたちの笑い声や鳥のさえずり、薪のはぜる音が混ざり合い、なんとも平和な雰囲気に包まれていました。
午後3時を過ぎ、最後の薪をくべてからは、火がゆっくり小さくなっていくのを眺めます。4時になったらサウナのドアを開けて冷まし、ベンチに水をかけて掃除、灰をバケツに集め、マットを戻し、湖の梯子を引き上げて結びます。片づけも含めて「自分でやり切った」という小さな達成感♪
ちょうどその頃、空から雨が降り出しました。この旅で、はじめての雨でしたが、その雨音さえも心地よい。通り雨が過ぎ、遊んでいた家族が去ったビーチは再び静けさに包まれます。



サウナ小屋の中にあった「体験者ノート」を開いてみると、ヨーロッパ各地やアメリカから訪れた人々の感想が並んでいました。日本から来た人の記録も少しあり、私も感謝の気持ちを書き残しました。


最後に小屋の中を点検し、ドアに南京錠をかけて終了。雨上がりの静かな湖岸沿いの道をひとり歩いて、小さなサウナ小屋を後にしました。

控えめに言っても――最高のサウナ体験でした。ピースフル、そして心からのリラックス。これ以上贅沢な時間はこれまで経験したことがなかったかも。
Have a nice relaxing time ❢