国内ひとり旅

「十勝千年の森」で馬を迎えに行くところから始まる乗馬体験! ~ 初夏の北海道・十勝 5泊6日の旅

十勝旅行2日目午後。

午前中は「十勝千年の森」でセグウェイツアーを満喫し、いよいよ今回の旅でも特に楽しみにしていた乗馬体験です。

まずは待ち合わせ場所の駐車場から車で少し移動し、馬たちが放牧されているエリアへ向かいました。

なんと午前のセグウェイツアーに続き、午後の乗馬体験も参加者は私ひとり。思いがけずプライベートツアーとなりました。

ここ「十勝千年の森」での乗馬体験は、一般的な観光乗馬とは違います。自分で草原にいる馬を迎えに行き、連れてきて、装具を付け、騎乗し、自分で手綱を繰って森を抜け、目的地まで往復するのです。ただ馬に乗るだけではなく、馬と向き合うところから始まる体験。全く新しい体験への期待と「本当に私にできるの?」という緊張感を胸に、思い切ってチャレンジした午後でした。

まずは馬との出会いから

初心者向けの乗馬というと、最初に長い説明や注意事項があるのかと思っていました。ところが、簡単な確認事項と同意書へのサインを済ませると、すぐに長靴とヘルメットを装着。

そして馬につける「無口(むくち)」という道具を手渡され、「では、馬たちのところへ行きましょう」とのこと。思っていた以上に実践的なスタートに少し戸惑いながら後をついていきました。

歩きながら教えていただいたのは、馬との出会い方、接し方。

  • 馬の視界に少しずつ入ること
  • 緊張を伝えないよう呼吸を止めないこと
  • 馬の耳の動きをよく観察すること
  • 足元に注意して踏まれないようにすること

特に印象的だったのが耳の話。耳を後ろにぴたりと倒しているときは、「今は無理です!」という馬からのサインなのだそうです。言葉はなくても、耳や表情で気持ちを伝えていることを知りました。

パートナーは「もずく」

広い牧草地では馬たちが自由に草を食んでいました。「どの馬でもいいですよ」

と言われたものの、初めての本格的な乗馬体験。できれば穏やかで小柄な馬がいいとお願いすると、「もずく」という馬を紹介してくださいました。きれいな茶色の毛並みに優しい目をした、穏やかそうな馬です。

まずは自分で無口を装着!

もずくは夢中で草を食べていて、ずっと下を向いたまま。馬って、ほぼ一日中草を食べ続けているのだとか・・・。その口に無口をはめて、耳の後ろでベルトを留めなければならないのですが、これがなかなか難しい…。四苦八苦すること数分。何とか無事に装着できました。

ここまでで1時間ぐらいかかる人もいるとか。「なかなか上手ですよ」と褒めてもらって妙にうれしい。この年になると、誰かに褒めてもらえることってないですものね。

馬を引いて馬小屋へ

次は、もずくを引いて馬小屋まで連れていきます。

無口につながったロープを持ち、馬の真横に立って歩きます。胸を張り、前を見て少し大股気味に歩くこと。馬の鼻先が自分より前へ出ないようにすること。これは「私がリーダーだからついてきてね」という意思表示なのだそうです。途中、草を食べようとしたらロープを軽く引いて「今はダメ」と伝えます。一度許してしまうと、ずっと草を食べ続けてしまうのだとか。なかなか気を抜けません。それでも何とか無事に馬小屋へ到着しました。

ブラッシングでお近づきに

馬小屋に着いたらロープを結び、今度はブラッシングです。専用のブラシを使って全身を丁寧にブラッシングしながら、馬の表情や反応を観察します。気持ち良さそうにしているか、リラックスしているか。もずくは穏やかな表情で、気持ちよさそうにしていました。こうして少しずつ距離が縮まっていく時間も、この体験の魅力のひとつです。

いよいよ騎乗!

続いて手綱を装着し、いよいよ騎乗です。

先月体験した乗馬クラブでは安全ベストや補助具がありましたが、ここではそういったものはありません。さらに乗る時の脚立もなし!

左のあぶみに足を掛けようとしてもなかなか届かず、少し位置を下げてもらって何とか乗ることができました。脚立なしで馬に乗るのは想像以上に大変です。ようやく馬上に座ったときは、それだけでひと仕事終えたような気分でしたが、本番はここから。

草との戦い

馬の進め方も、以前体験した乗馬クラブとは違っていました。足を使って合図を出すと、もずくは素直に歩き出します。あとはそのまま馬上でリラックス。方向転換は手綱を左右にしっかり引いて伝えます。

ただ、一番大変だったのは「草を食べさせないこと」。

普通の山道では問題ないのですが、背の高い草が生えている草原を横切る時は、もずくは隙あらば草を食べてしまいます。そのたびに手綱を引いて、「今はダメだよ」と伝えなければなりません。これが意外と大変。乗っているだけではなく、常に馬とコミュニケーションを取る必要があるのです。

ミレニアムの丘でティータイム

約1時間かけて絶景の「ミレニアムの丘」へ到着。ここで馬を降りてティータイム休憩です。ここに来るまでの緊張で力が入っていたのか、けっこうフラフラです。でも、「ここまで乗ってこられた!」達成感でいっぱいでした。

自由になった馬たちは草を食み、インストラクターさんと私は丘の上で紅茶とお菓子をいただきました。疲れを感じつつも、青空の下、十勝の雄大な景色を眺めながらのティータイムは格別です。

インストラクターさんのお話を聞いていると、どうやら私と同世代。15頭ほどの馬たちの世話をしながら、近くに住み、「十勝千年の森」のスタッフとしても働いているそうです。

ここで育つ馬たちは、広々とした自然の中で自由に暮らしているため、とても元気で長生きするとのこと。もずくはどうやら私よりもかなり年上の馬だったようです。私をここまで安全に運んでくれて、本当にありがとう。

帰りも最後まで気が抜けない

帰りは丘を下りながら馬小屋へ戻ります。

坂を利用して行きよりはスムーズに乗ることができましたが、歩くには、下り坂なので姿勢の維持がなかなか難しく、「背筋を伸ばして、前を見て」と何度も声をかけてもらいました。

乗馬は優雅に見えますが、実際には全身を使う運動です。体幹も脚も腕も、想像以上に使っていることを実感しました。

無事に馬小屋へ戻った後は、手綱や無口を外し、もずくを元の牧草地へ連れて行きます。再び自由に草を食み始めた姿を見ながら、

「もずくちゃん、本当にありがとう。これからも元気で長生きしてね」と声をかけました。

約3時間の体験を終えて

今回の体験は、ただ馬に乗るだけではありませんでした。

馬を迎えに行き、自分で装備を付け、引いて歩き、ブラッシングをし、一緒に丘を目指す。馬と向き合い、馬の気持ちに寄り添いながら過ごした時間そのものが、とても貴重な体験でした。乗馬クラブでのレッスンとはまた違う、自然の中で馬と過ごす時間。十勝の大自然の中だからこそ味わえる、まさにプライスレスな忘れられない午後となりました。

Have a nice experience

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